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立川O邸

東京都心部より40km、計画地は30年前に開発された戸建分譲住宅地に立地する2世帯住宅です。周囲は同じような大きさに区分けされた宅地に、同じように南側に庭を取り、建蔽率、容積率をフルに使い切って立ち並ぶ住宅郡によって町並みが形成された、郊外ではごく見慣れた住宅街です。

決して広いとは言い難い土地に、2世帯が暮らすこと、隣家や前面道路からプライバシーを確保しつつ、広がりを感じる住まいを獲得する工夫として各所に「バッファスペース」を設けました。

・北側に寄せすぎずに住宅配置することで生まれる北側の庭
・アルミパンチングのスクリーンに囲まれた2Fバルコニー
・1F北側に設けられた、背の高い通風フェンス
・道路側に設けられたガラスブロックによる階段室

これらのスペースが干渉領域となり、外からのプライバシーを確保しつつ、2世帯の家族間にストレスを感じさせない「キョリ」を保つことに成功しています。バルコニーの先端に取り付けられたアルミパンチングのスクリーンは、開いたときには建物に陰影を与え、閉じたときには薄い皮膜として作用する。太陽光を浴びれば硬質な金属質の殻として、日が暮れると室内の明かりがやわらかく漏れる行灯として、建物外観の特徴となっています。

個人2世帯住宅新築計画
所在地 / 東京都立川市
構造・規模 / 地下1階、木造地上2階建て
建築面積 / 41.37㎡、延べ床面積 / 82.0㎡
設計・監理 / 清水勝広 / 清水勝広勝広建築工房(担当;中尾亜弥)
施工 / 本間建設株式会社
設計期間 / 05年12月-05年9月
工事期間 / 06年12月-07年6月末