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ニューキャップビル

CAP

敷地は表参道交差点から少し奥へ入った南青山の一角に位置します。クライアントはアートディレクター、藤本やすし氏が主催する雑誌デザイン会社CAP。「膨大な量の雑誌書籍の扱い方」と20坪に満たない狭小敷地が、今回の計画を方向づけました。

グレアレスなワークスペース

主な業務はパソコンを使用した雑誌のデザイン。微細な色決めに影響を及ぼすグレアを抑え、直射日光の影響を受けずに、明るい快適なワークスペースを提供する為、採光は北側および、建物上部に設置するスリットからの間接光のみに限定しました。同時に、このスリットは建物全体の熱抜きの役割も果たし、壁面積の多い室内空間は近隣外部の影響を受けにくい静かなオフィス空間となっています。

図書館

書籍量が膨大であり、その量は十数トンに及びます。「建物物全体の構造」と「本箱の構造」を兼ねた門型フレームの「RCの本箱リブ」を採用し、建物全体が本箱となるような構成としました。フレームのピッチは棚板の許容荷重から決定し、狭小ながらにも最大限広い空間を獲得しています。

将来対応

オフィスにおいて人員数、業務資料の増加はつきものです。均等ピッチで設けた「RCの本箱リブ」は、棚・机板の入れ替えが可能で、オフィスでも書庫でも対応可能となっています。

町に閉ざした外観は刑務所、監獄を思わせます。内装においても、無駄なものは極力そぎ落とし、必要最小限の設えとなっています。感覚を邪魔しない空間が、時代の空気感をとらえ、常に新しいクリエイティブを生み出す、雑誌デザイン会社CAPの環境を支えることを期待しています。


オフィスビルの新築計画
所在地 / 東京都港区
構造・規模 / RC造・地下1階、地上2階建て
敷地面積 / 53.83㎡(16.31坪)
建築面積 / 31.33㎡(9.49坪)
延べ床面積 / 84.53㎡(25.62坪)
設計監理 / 清水勝広 / MS4D (担当;渡辺知哉)
施工 / 羽生建設株式会社
構造設計 / 名和研二(なわけんジム)
設計期間 / 06年1月-06年6月
工事期間 / 06年9月-07年8月